しめ縄は、一年中

うちで部屋飲みなどをするとき(部屋飲みいいですよね、安いし)、初めて来る方に住所と部屋番号を教えて、最後に確認として、
「ドアにしめ縄がかかっている部屋ですから、すぐ分かります」
と伝えることにしている。

しめ縄?とけげんそうな顔をされるが、一目瞭然なので、「ここかな…?」という不安はなくなるそうである。

理由を聞かれる事は、あんまりない。

お家の宗教上の何かかな…と思われているのかもしれないですね。
でもまあ、強い理由があるというわけではないが、そうとも言えるか。

「地方の風習」なんですけど、由来を聞いて「そうだったのか」と思ったので、「これはいいな」と実践しているわけである。

 

僕の出身は三重県で、いわゆる「伊勢神宮圏内」である。
伊勢地方の家は、一年中玄関からしめ縄をとらないことが多い。
(普通、お正月が終わったら外しますよね。)

それが変わったことだということを、幼少のころはもちろん知らないのだが(みんなつけている)、高校の数学の先生が余談として話しているのをきいて、へぇ、と思ったのである。
その話とは、以下のようなものだった。

昔むかし、ある集落に貧しいなりの男がやってきた。
どこでもいいので泊めてもらえませんか…と男は家々を回ったが、集落のものは、みな適当な理由をつけて断った。
可哀想に思った蘇民将来という人が、「ま、どうぞ。狭いですけど」と男を招き入れた。
裕福ではなかったが、慈悲深い人だったのである。

翌朝。
丁寧に例を言って、立ち去ろうとする男。
最後に、あ、それでね、とにっこりして男は言う。
「あなたは大変優しいから、お礼をしたいと思う。
 これからは、玄関の前に輪っかをかけて置いてほしい。
 そうすれば、先祖代々、力になってあげられると思うから。」

そうなのです。
この男性こそが、かの有名なカミサマ、
スサノオノミコトだったのです!(ジャーン。)

と、いう訳で伊勢地方では、丸い輪っかになったしめ縄を、一年中外さない。
(輪っかじゃなくても良いという話もありますね。
 昔、高校の先生に聞いたのは「輪っか説」でした。)

何やら文字の書いた小さな札も一緒にあることが多い。
「笑門」などと書いてあるが、実はこれは、「蘇民将来子孫家門」を縮めた「将門」から来ているのだという。

つまり、伊勢の人は、みんな「子孫だよ」と言い張っているんですね。笑
将来さん、いい人だから他の人に教えちゃったんだなあ。
このあたりからも、お人柄が見えますね。

ちなみに、このしめ縄の効用は「無病息災」と言われています。
そういえば、最近風邪など引いてないなと思う。
この効用かどうかは、わからないけれど。

参考:伊勢市観光協会ホームページ
「伊勢のはじまり ものしり情報」

まあなんか色々と
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