「ゆかりの町」になる過程

きょう、駅へ向かう途中の道で、
ひらひらと、「つがい」の蝶が飛んでいるのを見た。
よほど夢中なのか、結構近づいて写真を撮っても、
全然逃げようとしない。
なんだか不思議な光景だなと思った。
ほどなくすると、急に片方がすっと離れた。
そのとき、ふと思ったのは、
東京にいるんだなあ。
ということだった。
なぜだか、全然人気のない住宅地で、
そんなことを思ったのだ。
東京に越して来て、ひと月になる。
それまでは東京の、板橋という町に住むなんて
全然、予想もしていなかった。
ましてや、10年前にこの未来が想像できたか。
絶対に無理だよね。
だからきっと、10年後も、
「まさかこんなことやってるなんてね」
というようになっているのに、違いないと思う。
これまでに、5回引越をした。
一度目は大学に入ったとき。
そして市内で2回引っ越し(当時入っていた寮の関係だ)、
就職してから広島・福井へ。
それで、今回、東京にやってきた。
市内での引越を含めても、
やっぱり、知らない町に来ると言うのは、
なんとなくそわそわして、
それでいてわくわくする。
それで、自然と「よそ」だった町が、
「ゆかり」があるように感じて来る。
東京なんて住みたく無いよ、なんて、
けっこうずっと思って来たものだが、
来たら来たで、悪く無いと言うか、
なんかこれまで想像して来た「東京」と印象がまた違う。
先日、僕と奥さんと、
大学の友達のいっちょむ夫妻と食事をした。
自由が丘というところにある、
こじんまりとした雰囲気のいいお店で、大変楽しかった。
帰り道、その日が日曜日と言う事もあったのか、
町は結構ひっそりとしていて、
案外、いいところだなあと思った。
こうやって、「いわゆる東京」という場所で、
一つ一つ思いでが増えていって、
それで段々、「ゆかりのある町」になっていくのだろう、と
なんとなく思った。
きょうから、おそい夏休みです。
古民家リノベ、燻製、畑
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