ちょっとずつ飲んでいるのだが、やはり時間が経つと、ちょっとずつちょっとずつまろやかになっていっているような気がする。
砂糖とアルコールで梅をつけているので、醗酵ではないのだが、ちょっとずつ、なんらかの反応が起きているのであろう。
「角がとれる」というが、まはにそういう感じ。
「3月のライオン」の羽海野チカさんの原画展に、去年夏行くことができたのだが、一番感動したのはネームの展示だった。
ネームと言っても一種類ではなく、ネームにも何段階もあり、それが見比べられるように飾られていた。
羽海野さんは、その作業を繰り返して行く中でストーリーなんかをブラッシュアップして行くそうだ。
面白かったのは、それを「すべすべにしてゆく」と表現していたことだ。
マンガ家というのは、本当に「描く」という行為を数え切れないほど繰り返して繰り返してゆく日々の連続だ。
仕事をするということは、ある意味繰り返しの日々に耐える、ということもあるかもしれない。
それをただ辛いことを続けるということではなく、少しでも、何かが(関わっている具体的な案件だったり、自分自身だったりするのだろう)「すべすべに」なったり、「角が取れて行く」ことの喜びを味わいながら進めたらいいなと思う。
「変わらない」の中にあって、少しずつ「変わって行く」ことに気づけることも、一つの教養なのだと思う。
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