偶然見つけた山道で、小野妹子の時代に思いを馳せる

日曜日。奥さんが所用で出かけたため、子どもと二人で、時間をつぶす。近所の自然遊歩道へ行ってみることに。

「基本、制止しなくていい場所」というのは、子どもといる場所として、とても重要だと思う。道路とか、制止しないと本当に危険だし、家の中も、限りなく制止しなくていいように…と整えてはみるがやはりダメだ。ガスコンロで遊んでしまうし、コンセントに何か突っ込もうとするし…。

山とか、海とかでも、もちろん目を離せないことには変わりはないが、基本的には「好きにして~」という感じ。こちらも気が楽だし、子どもにとっても、やっぱり自由で、心が解放されているように思える。

あと、時間がある、というのは良いことだなと思う。この日も有り余っていたので、いつもは歩かない小さな登山道のような道に行ってみることにした。

子どもは、きゃはきゃはいいながら、落ち葉をぶちまけたり、道を滑り台にしてみたりしながらも、ちょっとずつ登っていく。ちょっと勾配が急だと、「ん!ん!」と手をつなげと顔と態度で指示してくるのだが、こういう風にしてくれるのは本当にあっという間のことなんだろうな…とかしみじみしてみる。こういう時間、大事にしたいですね。

遊びながら、ゆっくり上っても15分くらいで頂上に。途中、散歩中の老夫婦に出会い、あいさつをして聞いてみたところ、登ってそのまま山の向こうに抜けられるらしい。これはびっくり。

ちなみに日本テレビの「生田スタジオ」もこの登山道の側にある。調べてみるとドラマの他に、『月曜から夜ふかし』『はじめてのおつかい』『知ってるつもり?!』『マジカル頭脳パワー!!』『ザ!鉄腕!DASH!!』などが収録されていたとのこと。へー。

さて、頂上付近に広い、不思議な空間があった。

こんもりとした丘になっており、一番上に行ってみると石碑がある。

よく読めないがお墓のようで、側面には「慶長16年」(1611年)という記述がある。どうやら「菅(すげ)古墳」という名の古墳であるらしい。古墳自体の築造は石碑自体よりもかなり古いとみられ、6世紀後半(550年)~7世紀前半(601年)という説が古墳マップというサイトで紹介されていた。7世紀と言えば、607年に遣隋使として小野妹子が派遣されたというから…えーと、すごい昔ですね(浅い)。発掘工事はされていないというのが、なんか夢がありますね。

しばらく、その辺で子どもと遊ぶ。日曜の午後。木漏れ日が古墳にやわらかく差し込んで、暖かい。ごくたまに、散歩しているおじいさんや、犬連れの夫婦やジョギング中のおじさんが通って「こんにちは」とあいさつする。とても気持ちの良い散歩だった。

 

後日、ジョギングしに、一人でこの古墳に来てみた。その日も暖かく、気持ちの良い日曜日だった。30分ほどなだらかな山道を走った後、木に寄りかかって座って休んだ。どこかで気の早い鶯が鳴いている。人がいないとき、ここはどんな感じなんだろうなと、できるだけ気配を消してあたり眺めてみたりする。ざわざわ、と風で葉っぱが擦れ合う音がした。落ち着く。千何年前には、ここも工事で忙しい人たちがたくさんいたのかな。そもそも、誰のお墓なんだろう?

10分ほどして立ち上がる。一応、石碑に手を合わせておく。走り始めると、わずかな時間で、もう現代の街が見えて来る。そうか、それにしても、小野妹子ねえ・・・。

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