先日、GWの代休ということで1週間ほどお休みを頂きました。家でゴロゴロしているのも何なので、京都に遊びに行った。宿は南禅寺の近くにとっていた。奥さんが調べると近くに面白そうな古書店があるというので、ぶらぶらとベビーカーを押しながらいってみた。
開店が昼の12時なのだが、ついてみると10分前でしまっていた。天気も良いので前で待っていると、白髪の芸術家然とした男性がふらふらとこちらに歩いてくる。「もしかして、開くの、待っといてくれてるん?うちの店、待ってくれてるん?」(こんなの、京都弁じゃないというご指摘はご勘弁ください)。
この方こそが、何を隠そうこの山崎書店の店長、山崎さんだったのでした。「ベビーカー?ああ、店の中入れたって。ええってええって」(こんなの京都…(以下略))と赤ちゃん連れにも大変親切にして頂きました。
店内はところせましと美術書が並んでいる。
古文書もある。
もう眺めているだけで楽しい。そして店員さんらしき若い女性の方も合流。山崎さんとの会話が聞こえてくる。
「あのな、この本、注文しようと思うんやけど、これは君の研究分野の本やから、君の名前で注文しようと思うねん。この世界、”この分野の本だったらとにかく買います”っていう姿勢がすごい大事やねん。そしたら次から同じ分野の本入って来たら、君のとこにとにかく連絡してくれるようになるかもしれん。大事なことや。」どうやら店員さんも、大学で美術関連の研究をされているらしいのである。おもしろいですねえ。
なんか探してたらお手伝いしますよ…とご親切にも言ってもらったので、葛飾北斎の図録を見繕ってもらった。絵画なんて全くの門外漢なのだが、中学の美術の時間に模写した『鳥獣戯画』を見て以来、葛飾北斎には、すごく興味があるのです。とても良い(そして分厚い)図録が2冊で3500円。安い。ちょっと重いけど、迷わず購入。山崎さんは、海外で美術展を開催しているらしく、ヘルシンキの有名な会場で北斎の展覧会を開いたこともあるらしい。
山崎さん曰く、「北斎はな、90くらいまで生きたんやけど、死ぬ前に『あと10年活かしてもろて、絵を描き続けさせてもらえたら、一人前の絵師になれる』言うたらしいで、かっこええやろ」。ほんと、かっこいいですね。
こういうキャラクターの方々が京都にはたくさんいるのでしょうか。森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」は本もアニメもおもしろかったけど、あながち全くの創作というわけでもないような気がしてきますね。
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