「自然発生説」の否定

いつだったか、家で鍋だかなんだかやっていた時に、野菜を切るのを手伝ってくれていた同期が、野菜くずを、あの、スーパーでもらえる半透明のふくろにまとめていた。

最後に捨てるとおもいきや、なんと、その袋をおもむろに冷凍庫に入れ始めたのである。

びっくり仰天してしまった。

「な、何を…!?」
といくぶん取り乱して聞いてみると、
「えっ?こうしとかないと、腐っちゃうじゃない」
とのお答えであった。

ふーむ。なるほど。

この一年くらいで、一番驚いたこと、といっても過言ではなかろう。
(言い過ぎました、ごめんなさい。)

この、秋まっさかりの気持ちのいい日曜日にこんな話をするのもなんであるが、小バエが、わくのである。

あれれ、どうして部屋に虫が、なんて思っていると、外からではなく、トロイの木馬よろしく、自陣のゴミ箱から元気に飛び出してきている、なーんてことにもなりかねない。

高校の化学の資料集などによると、ハエなどは「自然発生」していると考えられていたようだ。

ウェブで調べてみれば、これはアリストテレスさんが提唱したとも言われており、近代まで、なんと2000年にわたって根強く信じられて来たそうなのだ。

…2000年!

しかし、そう思うのも、無理からぬことであるなあ。
なんで?どこから!?
と思う。

だって、親バエとか、うち来たかなあ、おかしいなあ、と思う。

この「自然発生説」に終止符を打ったのが、「ガラス工芸の発達」であったことは、一般には、あまり知られていない。
(資料集に載ってたけどね。)

当時の科学者は、こんな「対象実験」を行った。
死んだ魚を、口のあるガラス瓶に入れておくと、ハエが(正確にはウジが。なんか、すいませんね)発生する。

しかし、ガラス瓶を目の細かいガーゼで密封するとハエは発生しなかったのである。

ガラスを自由に造形できるようになったからこそ、こういう実験ができたのだ…というような意味の事が、資料集に書いてあった気がする。

結論。ハエが沸くのは、どこか外界から原因がやって来ているからだ。
勝手に「わいて」くるものではない。

2000年信じられていたことが、身の回りのもので確かめれてしまう、というのが面白い。ワンアイデアだね。

そして、技術革新は科学を進める(逆もしかり)のだなあと思ったのである。

そんなこんなで、日曜ももう午後である。
あしたゴミ捨てないと。

科学のこと、技術のこと
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