ディスカバリー・チャンネル科学映像シンポジウム「世界に通用するドキュメンタリーとは」
を、今月23日に聞いてきた。
伝説の敏腕プロデューサー(らしい)ポール・ガセクさんが初来日。
講演と、日本の識者とのパネルディスカッション。
その後にガセクさんの作った番組を一本見るという大変濃密なイベントであった。
印象的だったのは、ガセクさんが
「サイエンスプログラム(科学番組;SP)は、授業じゃないんです。
エンターテイメントなんです。」
という事を、再三にわたっておっしゃっていたということ。
国立科学博物館の講座で、(学生の間で)物議を醸した
「科学を文化に」
というフレーズ。
対して、ディスカバリー・チャンネル社長のジェームス・ギボンズさんも、
ガセクさんも、
「科学をエンターテイメントに」
という立場を明確に示していた。
「テレビは、退屈であってはならない」というのが、彼らの根底にあるテーマだ。
この立場を基軸にした番組作りでは、
「たとえ、若手であっても、科学をイメージしやすく、情熱的に伝えられるならば、
大御所よりもそちらを選ぶ。」
と言うスタンスを取っているそうだ。
話の途中にも、実際のディスカバリー・チャンネルの映像を多く交え、
最後まで聴衆の興味を話さない見事な講演だった。
講演の中で使われた映像や、パネルディスカッションの後に使われた映像を見て
感じた事は、
「たとえCGをCGと思わせない工夫で、しっかり”ストーリー”仕立てにしている」
ということだった。
日本のテレビを見ていると、CGとかイメージとか、
「現実の映像」と「非現実の映像」をかなり明確にしている。
この流れは、個人的に、
「発掘あるある大辞典」問題の後、かなり顕著になったように感じる。
ディスカバリー・チャンネルでは、一つのストーリーが有って、
それを効果的に、視聴者に分かりやすくするためには、手段を選ばない、
という心意気を感じた。
どちらがいい、というわけではなく、テレビ番組でも、
やはり文化の違いというものが現れるのだなぁ、と思った。
パネルディスカッションの様子
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