玉ねぎは、元々甘いらしい

新たまねぎを買った。

たまたま安い豚肉コマ切れがあったので、
豚汁を作った。
(どうでもいいことだが、
 うちの実家では「ぶたじる」で
 「とんじる」とは呼ばなかったな。)
話を聞いてみるとわかるのだが、
豚汁(みそ汁)ひとつにも、
いろんな作り方があるのだなあと思う。
大変奥の深い日本料理である。
結局僕は、「カレー式」で作っている。
とにもかくにも、まずは玉ねぎを切る。
鍋に放り込んで、弱火で時間の許す限り炒める。
次に人参を切って、電子レンジ600Wで、
5分くらい加熱する。
玉ねぎが良い感じになってきたら、
肉等、順次いろんな具材も炒めて行く。
この後、みそを投入すればみそ汁だし、
カレールーを入れればカレーである。
…便利なものだ。
(この作り方について、
 椎名 誠さんが同様のことを書いており、
 『わしらは怪しい探検隊』(角川文庫)
 大変嬉しく思った覚えがあります。)
玉ねぎを弱火で炒める、という調理が結構好きだ。
というのも、生で食べると辛い玉ねぎが、
ああも甘くなると感動する。
結局、どんなマジックなのかと、
ウェブで調べてみたら、
どうやら熱で辛み成分が甘くなるわけではないらしい。
玉ねぎは、元々甘い野菜らしい。
それに気づかないくらいの辛み成分が含まれているということだ。
熱すると、その辛み成分が分解されて、
甘みを味わえるということだ。
ふーん。そうだったのか。
新たまねぎは、水分が多いから、
全然焦げ付く気配がない。
ちょっと強めの火でとろとろとろと熱して行く。
窓から入ってくる風は、
北陸のどよーんと湿気ったものでなく、
それなりにからっとした気持ちのいい感じになっている。
そうかあ、元々甘いのかあ、
ということをなんとなく考えながら、
春のうららかな、日曜の午前は過ぎてゆくのだった。

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