古民家を探そう(3)ついに契約…!?

お久しぶりです。思い返してみれば、古民家に関するブログは、下の記事から、およそ1年ぶりでございます。

なんでこんなに間が空いたかというと、大きくは、

  • ローンが組めない問題
  • 建築申請に関する問題

の二つに起因し、「これ、もう無理じゃね?」となっていたからであります。

…が、タイトルにもある通り、絶体絶命起死回生九死一生危機一髪背水之陣大器晩成(?)で、いよいよ「契約」の運びとなったのであります。

少し簡単にまとめてみたいと思います。

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市街化調整区域の古民家に大手銀行は厳しい

まず、今回、私どもがみている物件について、「市街化調整区域」というゾーンにあることが、非常にハードルを上げることになりました。市街化調整区域とは、何かというと。

「市街化調整区域」は、都市計画法という法律で、「農地などを守り、無秩序な市街化の拡大を抑制するため、宅地開発を規制するエリア」とされています。つまり、本来ならば住宅開発を積極的に進める場所ではないのです。

少し専門的ですが、ある程度の大きさの都市では、都市計画法に基づいて、市街地として積極的に開発する「市街化区域」と、無秩序な開発を抑制する「市街化調整区域」を区別しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20220603_02.html, 太字・傍線筆者

つまり、自治体として積極的に開発を進めるエリアを市街化区域(開発が行われてほしいため、開発するハードルは低い)、開発あまりしてほしくないエリアを市街化調整区域(開発が行われてほしくないため、特別な理由などがない限り、ハードルが高い)としているわけです。どちらともしていないのが非線引き区域、そもそも都市計画を定めていないゾーンは都市計画地域外です。

開発をしてほしくない理由としては、農地を守ったり、都市が広がりすぎるとインフラの維持が大変、とかいろいろ理由があるようです。

そしてこの「開発」という言葉には建て替え等も含まれるのですね。

同上

「なぜ、わざわざ開発を抑制する土地にあるような古民家を選ぶんだ、きみぃ!」とあなたはお思いでしょう。普段、あまり使うことのない用語ですが、家族で「古民家探し」をしていると、身に沁みてこの「開発を推進」「抑制」ということを感じることになりました。

要するに、①古民家に住みたい勢と②新築の戸建てに住みたい勢を比べれば、②の方が圧倒的に多いわけですね、今の日本では。その比率たるや、圧倒的でしょう。いつぞやのボブサップVS曙戦を彷彿とさせます(しません)。

するとどうなるかというと…。

もし開発を推進する地域に古民家があって、維持に困った持ち主が売りに出すとすると、「更地にして戸建て住宅として売りに出した方が買い手がつく」のであります。圧倒的につくのであります。プレステとドリームキャストくらいの圧倒的な差があるのであります(個人の感想です)。

こうして古民家は姿を消してゆく、と。

しかし、我々のような酔狂な客が古民家を探すとなると、「壊せない・売れない」という古民家にいきあたる…というか古民家はそういう土地にしか残らない、という現実があるわけです。

で、もう一つ、古民家が消えてゆく理由が、かの高名な「住宅ローン」であります。

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古家 × 建築年不詳 × 市街化調整区域

ここ1年、我々が押し黙っていたのも、この住宅ローンの問題がありました。

希望通りの値段で買えることになった!
リフォームをしてもらえる業者さんも決まった!
…それなのに、ああそれなのに、何を躊躇することがあろうか?(いや、ない)

それはひとえに「金策が難航した」ということなのであります。

ありがたいことに、働き口をいただけて、なんとか口を糊にしていけております。まわりの同世代の同僚も、そろそろマイホームを…という人も増えてきており、その際、「住宅ローンで困った」という話はあまり聞かないのであります。

しかし、ところが、なんということでしょうか。

はっきりいって「全滅」だったのであります。
金融機関、と言われてあなたが思いつく大体のところに行きましたが、断られてしまいました。

理由は、ギャンブルで280億円の負債があった…、ということではなく、口をそろえて、「物件が担保にならないので…」ということだったのでした。

今回、中古住宅ということですが、この古家が担保になるか、いくらくらいの価値があるか、という算定のためには「いつ建ったのか」という情報が必要だそうです。

ただ我々が選んだ古民家、「建築年不詳」なのです。
よって、0円査定よりもタチの悪い「計算不能」だというのです…。

別に家が担保にならなくても、「土地」があるではありませんか。2500平米の土地(!)です。

しかし、この土地は思い出してください、市街化を抑制すべき市街化調整区域、です。
ぶっこわして更地にして圧倒的戸建てにできない(詳しくはハードルが極めて高い)のです。

こうして、○ずほも○FJも○井住友も○BIもなしのつぶて。
最初相談で「だめですね」ということもあれば、申し込みは受け付けてくれたものの「だめですね」ということもありました。不動産会社から紹介された、頼りの○Aもだめでした。

こりはもうだみだ…と思っていたのですが、隣県の地銀であるS銀行が、融資を受けてくれることになったのです…。ありがとうS銀行。

で、つらつら書いてきましたが何がいいたいかというと、新築戸建てだったら「住宅ローンはぜひ我が行で!!!!」という方々も、「は?建築年不詳家屋?市街化調整区域?うーん、おひきとりください(にこ)」ととなる傾向にあるということです。

立て替えられないし、売れない。流通できない。だから放っておかれて状態がわるくなる…固定資産税がかからないように潰すだけ潰すか…みたいに、古民家が減っていく…。

統計などを調べたわけではないのですが、そういうことがあるのかなあと、古民家を探しながらいまの「マンション・新築戸建て一択!」みたいな風潮を感じながら思ったのでした。

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暗い話になりましたが、契約予定です!

今回我が家は、S銀行さんのおかげで、なんとか金策できました(条件はあって、また詳しく書きたいですが)。

ただリノベーションについては、いろいろと制限もあって、ただ、長くなったのでまた別の機会に書きたいと思います。

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