柿の、燃えるような橙


お昼休憩に、町中を歩いていたら、
立派な柿の木が立っていた。

お家の方(大奥様と思しき方)がいらっしゃったので、
写真撮っていいですかと聞くと、どうぞどうぞとのこと。

撮らせていただく。
ぱしゃぱしゃ。

干し柿にするんですかと聞くと、
干すものと、
切れ込みを入れて焼酎をすり込むものがあるんですとのこと。
すると、甘くなるんだそうです。
へええ。

「三代前の人が植えたんですけど、この辺りも田舎の風情が大分少なくなりましてねえ。
ちょっとでも、と思って、いまでも残してるんですよ」と、大奥様は笑いながら話してくれた。

眼が覚めるような橙色。
そういう心遣いもあって立ってるんだなと思うと、
めっきり寒くなってはいる今日この頃ですけれども、
ほんのり心温められるように感じたのでした。

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