大学の寮の味噌汁の話

始発の電車で東京へ。
最近、東京へいく機会が多く日帰りも結構あるのだが、始発で東京行くのは初めてである。

駅までの道すがら、4時の福井の町を歩いてみて思ったことがある。
つくばに似ているのである。

信号の光りが、濃い霧のなかでぼやーっと光っている様などを見ると、家賃12000円で部屋の形が五角形の「平砂宿舎」へ行く道を思い出(フラッシュバック)し、思わず涙がこぼれそうになる(うそだけど)。

平砂宿舎には、共用棟というのがついていて、

そこにお風呂(170円)とか食堂がある。

食堂でご飯を買って食べたことはほとんどないが、味噌汁はよく頂いた。
 
どういうことかというと、定食を頼むと味噌汁がつくのだが、
それは各人セルフでお椀によそう仕組みになっている。
だから、僕は何も頼まず、やおら味噌汁をよそって席につき、
鞄から自前のおにぎりを取り出して食事を済ませるのである(ひどい話だ)。
一年生の時は、よくやった。
 
特に生活に困窮していたわけではないのだが、
「あ、ここお味噌汁ただなんだ、すごーい。」と思ったのである。
 
そんなわけない。

しかしある日、さすがに我慢の限界を超えた食堂のおばちゃんから、
「あんた、いっつも来るけど頼んでへんやろ」と鋭い指摘があり、
それ以来食堂には足を運んでいない
(正確に言うと、食堂運営の業者が変わってリニューアルしてからは何回か行ったけど、
味噌汁は自分ではよそえなくなっていた。
きれいになっていて、いかにも「キャンパスの食堂」という感じなのだが、
昔の方が、味があったと思う)。
とにかく、お味噌汁ごちそうさまでした。
…すいません。

それにしても、あの味噌汁にたまに入っていた(大抵、具など入っていない)

謎の野菜は何だったのだろう。

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